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映画「がっこうぐらし!」感想 めちゃくちゃ良かったので見ろ

 

こんにちは。なををををををです。

今回、まんがタイムきららフォワードにて連載中の漫画「がっこうぐらし!」を原作とした同名の実写映画が公開されたということで見てきました。

公開日当日にちゃんと見る暇ができてよかった…

 

 

 

感想には原作の展開も含めてネタバレを結構な割合で挟みますので、まだ見てなくてネタバレとか気にする~~って方はご注意を。

 

あとどうでもいいことかもしれないですが、僕はメディアミックスによって設定やストーリーに改変が加えられることは適切であれば容認するべきだと思っているので「何が実写化じゃい設定変えんなウォウウォウ」といった方は、僕の感想は合わないかもしれません。

 

ていうかこの映画そういった変更点がだいたい全部良かったので文句付ける隙も無さそうですが…

 

 

 

まず本作「がっこうぐらし!」は、PVや広告で示されているとおり、日常と非日常の混在する映画です。原作やアニメでもこれはそうですね。

 

 

突如人間がゾンビのような状態(この状態になった人たちのことは"かれら"と呼ばれています)になる現象が発生し、爆発的な感染力を持ってその被害は拡大していき、生き残った胡桃、由紀、悠里、美紀、そして顧問のめぐねえで構成された学園生活部は学校の中でその脅威から身を守りつつ学園生活を送る…といったものが大体のあらすじです。

 

 

映画では、このパンデミック以前の日常生活を少し映していました。まずはそこで得た映画「がっこうぐらし!」内での設定について少し触れます。

 

めぐねえが養護教諭になっていましたね(原作では国語教師)。サボり常習である由紀が養護教諭のめぐねえと関わりが多くなることについて、説明的でなくとも説得力を持たせるようにしていたり、保健室をめぐねえ関連のキーとなる場所としてイメージさせることができているので違和感のない変更だと思います。養護教諭が授業するのかと言われればちょっとよくわかりませんが…

 

 

あと胡桃が想いを寄せるOBの先輩(葛城)がわりとキャラクターを出してきてましたね。なんというか全体的にこの映画は胡桃が主人公的な描かれ方をしてるので、その延長でしょうか。

 

でも適当に無から湧いたキャラというわけではなく、葛城にも胡桃の葛藤や奮起に絡ませたドラマがあって良かったです。あとリストバンドナイス。ようやった。

 

 

あとは由紀が胡桃の事を呼び捨てしたシーンドキっとした。したよね?したよな????悠里も口調がお姉さんっぽい口調でなくややくだけた感じでしたね。実写化に合わせてうまいこと調整がなされていたと思います。

 

 

で、日常から非日常へ移る…具体的には由紀の視点から胡桃らの視点へ移るシーンですが、こっっっっっわ…

展開知っててもぞっとしました。どんどん変わっていく音楽とカメラワークが効果的すぎた。

急に来るな!!

 

 

グラウンドにいた"かれら"の一人がやたら鋭利に切り取られた腕を持ってたのはどういうことだろう…生前仲が良かった子の腕をかれら化後も持ってるとかだったらエモいと思います(そんなことある?)。

 

 

空中からの視点で状況を簡潔に観客に伝えてるの、巧いな~と思いました。そこにジワジワと端から浸食されていくタイトルロゴ。完璧か?

 

 

この後物資確保のために胡桃と悠里が校内を探索するシーンが来ましたが、ここではホラー的なビックリ演出がありましたね。心臓止まりました。びっくり系弱いので…

 

下駄箱へ続く廊下を歩くだけでも緊張感で満たされているのが良いですね。音に反応するのをピンポン玉による実践で見せたり、とにかく演出が良いと思いました。

 

 

 

美紀を見つけるシーンは校内で行われていましたね。違和感のない展開の省略でした。ていうか圭が目の前で助けを求めながらかれら化していったうえに美紀にとってそれがトラウマと化していたのえげつなさすぎる…他にも立てこもっていた人がいたという描写があったのも良い。

 

 

美紀が「修羅場くぐってきたんです!」と意地を張ったり、職員室を漁ったり、学園生活部の笑い声を不気味に聞こえるような演出がなされていたりと、美紀が学園生活部に加入するまでの振りが丁寧でしたね。「天国と地獄」を流して由紀に体育祭を連想させて行動させるアイデアも見事でした。「天国と地獄」、シーンの盛り上がりに使うBGMとしても、そのタイトルから連想される状況の説明としてもチョイスが良いですよね。

 

映画全体を通してですが、きちんとストーリーを映画内でまとめるための補完を原作にないシーンでできていたのが評価高いです。武器を持って戦う者同士が反目からの結束をし、同じ場で戦う…激エモ満点。今月の標語は「二人ならできるんじゃん?」です。

 

ここの共闘で胡桃と美紀どちらも「かれら化した大事な人がいる」という共通点から話が出てきて胡桃が弱さを見せ、シャベルを上手く振るえなくなる展開へつなげ、最終的には去っていった大事な人に背中を押され奮起するそのカタルシスがマジで巧いな~~~と思って口開けてました。

あと悠里に胡桃が泣きながら抱き着くシーン、泣きへの移行がもうホントぶわってくる

 

そういえば、美紀発見あたりからめぐねえの出番があまりなくなっていたのも効果的でしたね。初見の観客に「おや?」と思わせ…違和感を積み上げさせる感じ。わりと終盤まで明言はしていませんでしたが、なんとなくその時まで匂わせてはいましたね。大騒動になっているのに姿を見せなかったり、さっきまで誰もいなかった場所に突然現れたり。

 

 

 

めぐねえ関連だと、美紀に学園生活部の説明をしているシーンで、由紀の前に立っている悠里を境界にして美紀視点、由紀視点を分断してるような印象を感じたんですが、あれは意図的だったんでしょうかね…考えすぎかも。

 

 

そういった演出がなされていたのかは自信ないですが、由紀のようにめぐねえの姿が見えているわけではないけどしばしばめぐねえに語り掛けるシーンがあったり、めぐねえとの距離が近く、なおかつ冷静で部の代表であったりといった悠里のポジションは、美紀と由紀、美紀と学園生活部の境界という立ち位置だったんだと思います。

そうだったらいいな…そうだったら由紀に対して序盤で「置いていくしかない」と発言していた美紀が終盤言った「置いてけませんよ、絶対」ってセリフがなんかよりいい感じだし…

 

 

美紀が学園生活部に溶け込んだ後の楽しそうなパートほんと良いんですよね、学園生活をみんなで過ごしている…

バリケードを協力して作ったり、非日常であることも忘れていない感じとか。大学生になってめぐねえに会いに行く未来を想像してたのほんとに涙腺に来たし未来を思う四人が見つめる窓の先で街に光がともっていくの最高だった。

 

 

あとちょっと気になったとこ。学祭の占いで「恵飛須沢さん!あなたの未来は見えません!」って言ってたとこはなんかンッ?ってなりました。不穏な展開へ移る前振りだけのセリフだったんですかね、これ?単にそれだけならいいんですけど、原作の展開的にドキっとしてしまった。ひとりだけいなくなるなんてやだよ…

最近常に不穏オーラを纏う女、恵飛須沢胡桃に幸あれ。

 

 

 

あとちょっとだけ…そのあと火のついた生徒が突っ込んできて火事になる流れはちょっと強引かなあ、と思いました。チャッカマンを握ってる生徒がいたのはわかりましたけど、なんでだよっていう…

生前の行動に多少左右されるっていうことでもチャッカマン握ってんのはおかしくない?生前に火を愛してたのかもしれないけど…ここについてなんか捕捉とかあればぜひ教えてください。

 

 

 

んで、メチャクチャ絶望的な展開。胡桃感染はありませんでしたが、部員は分断され学校内にかれらが大量になだれ込み、胡桃も諦め…というシーン。先ほども述べましたが、ここで胡桃の中にいる葛城が「胡桃は生きてるんだ!転んでも立ち上がってきただろ」って告げてたのも序盤と繋がっててエモいですよね…ここで奮起し、クラウチングスタートの姿勢から飛び出し、シャベルで無双するのも流石って感じ

 

しょうもない話を一個すると、葛城が胡桃の好きなとこ言うシーン…

身も蓋もない話ですが葛城は胡桃の中にしか存在しないわけで、「気になってた」以上の真意も確かめようがないので、このシーンで語られていた「胡桃のどこが好きだったか」も当然胡桃の想像でしかないんですよね。

これ胡桃が普段から「先輩はきっと私のこれこれこういうとこを好きになってくれたんだろうな~」とか考えてたんだとしたらかわいいしせつない。そんだけ!

あとほんとにリストバンドナイス。お前はヒーローだ

 

 

 

めぐねえと保健室で遭遇するシーンも良かったですね。別離するときの回想でちょっと泣いちゃった。みんなに一言ずつ残して自ら扉を閉ざすめぐねえ…

誰も傷つけないように自らを括り付けてるの、椎子さん連想させられて感情フィルターがぶっ壊れました。そして映画ではちゃんと全員再会できてるんですよね…序盤の日常風景のシーンではシーンやセリフごとの間が少なくてせかせかしてるな、と思ってましたがこういったシーンでたっぷり間を使うためだったと考えれば不満はない、むしろ最高です。

 

 

そして卒業式から学校を出てエンド…

学園生活部!の掛け声がここで揃うのも良いし、涙を流しているけど笑顔で卒業式するのも良かったです。全肯定botみたいになってるな…

仰げば尊しで出来事を振り返るのもやってくれた…

 

 

 

というわけで、感想って言うか思いついたものをそのままパッションに流して書き連ねただけのような駄文でしたが読んでいただきありがとうございました。

適切な改変、原作既読者でも心動かされる演出…実写化だからって敬遠するのはもったいないくらい良作だったと思います。

ここまでネタバレを連ねた文を読んでおきながら劇場に足を運んでいないオタクはまあまずいないとは思いますが、もしいるのならこんなブログでは表しきれない貴重な体験があるのでぜひ一度観に行ってみてください。

それでは。